最近耳にするようになった「オーバーブッキング」
定員をオーバーする予約を航空会社が受付た結果、予約過剰で搭乗することが出来ない人がいる状態のことです。
印象に残っているのは、ユナイテッド航空でオーバーブッキングが起きたニュースではないでしょうか?
性客を飛行機から引きずり降ろされる映像が世界中に拡散し、波紋を広げました。
このニュースはかなりイレギュラーなことですが、オーバーブッキング自体は日常的に起こっています。
私自身もカタール航空を利用した際、オーバーブッキングを体験しました。
予定日に帰国できず、どうなるのかよく分からず不安と怒りで、かなりのストレスになりました。
今回は実際にオーバーブッキングに遭遇したら、どうなるのか?私の体験を踏まえて、オーバーブッキング発覚の経緯、保障内容、対処法をご紹介します。
オーバーブッキングとは?
オーバーブッキング(Over Booking)とは、航空会社が飛行機の座席数よりも乗客数のほうを上回って予約を受け付けてしまった過剰予約の事である。航空会社では乗客が乗り遅れたり、実際に搭乗しなかった場合のキャンセルの発生を見越して実際の座席数より多めの予約を受ける事がある。実際読みが外れて予想よりキャンセルが少なかった場合オーバーブッキング(Over Booking)となる。航空会社の対応としては、振り替え便を手配するか上位クラスの座席が空いていればアップグレードを提供している。
ena(イーナ)より
オーバーブッキングが発生した際、通常は便を変わってもらえるボランティアの人を募ったりして、各社対応しているそうです。
冒頭でご紹介した「引きずり降ろされる事例」は、極めて珍しい対応です。
カタール航空でオーバーブッキングにあった経緯
夫婦で5年程前にヨーロッパにカタール経由で出掛けた時に、帰国便でオーバーブッキングにあいました。
通常、カウンターで搭乗手続きをする時、ヨーロッパ~カタール~日本のチケットをその場で発行されます。初めに、変だなと思ったのは、ヨーロッパからカタールまでのチケットしか発行されなかったことです。
カタールで日本までの航空券を発券して下さい
と言われました。
いつもと違うとは思いましたが、オーバーブッキングに遭うと思ってもみない私達は、その時はあまり気に留めていませんでした。
そしてカタールのカウンターで
満席で飛行機に乗れませんので、明日の便に振り替えます
と言われました。
カウンターはごった返していましたが、私達は自分たちの主張を伝えました。
- 翌日から仕事があり帰れないと困る
- 予約あるのに帰れないってどういうこと?
- 別の便で帰れないのか? 例えば韓国経由など
- 日本国内で乗り継ぎがある。保障はどうなるのか?
色々言いましたが結局、別便など調べることなく
飛行機はどの便も満席です。明日の便へ振り替えて、ホテルを手配します
の一点張りで、聞く耳を持っていませんでした。
もう、このカウンターで何を言っても、機械的な一方的な対応しかしてもらえないと判断し、その場では条件を飲むしかありませんでした。
結局、ホテルの手続き、入国の手続き、などをして眠りについたのは朝方でした。
ただ、こちらが条件を飲んだ後は、比較的手続きはスムーズでした。流れがきちんと決まっていて、それ以外の対応をしないところを考えるとオーバーブッキングが頻発していることが伺えました。
私は英語は一切出来ません。
結局、カウンターでは言いたい事や聞きたいことが全然言えず、ストレスが溜まっていました。夫に通訳をしてもらっていましたが、私は直接交渉したいと思い、翌朝、日本のカタール航空のオフィスに電話をしました。
電話代がかかるので、ホテルに折り返すよう伝えると、しばらくして電話がかかってきました。ようやくまともに取り合ってもらえ一安心しました。
カウンターではホテル代は、補償費から自分たちで払ってと言われていましたが、そうではなく航空会社持ちということでした。
また最大の問題である、国内の乗り継ぎは、LCCで手配していました。その事を伝え、そちらで航空会社とやり取りして、翌日便に振り替えてと伝えました。
LCCだから無理だろうなと思いながらも、異国の地で色々調べて、手配するのも難しく頼むしかありませんでした。
数時間後折り返しの電話があり
本来ならチケット買い直しですが、今回は差額(購入時のチケットの値段と当日の値段の差額)だけで乗れるように手配しました
と言われて、安堵しました。差額は補償費から賄うことになりましたが、最悪の事態を脱する事ができました。
カウンターで泣き寝入りし、日本に電話をかけなかったら、おそらく飛行機の手配までしてもらえず、自分でチケットを買い直していたと思います。
結果、乗れなかったチケット+買い直しで、1人1万円以上の自己負担が発生するところ、差額の3千円程度の負担で済みました。
オーバーブッキングにあった時の保障内容とは?
以下が当時の保障内容でした。私達の場合、プラス飛行機の手配をしてもらいました。
- 1人25,000円
- ホテル宿泊費
- ホテルでの食費(バイキングで自由に取る)
- 国際電話1回(時間制限あり、たしか5分くらい)→カタールの日本オフィスに電話するのに使用しました
日本に到着した時に、出口でカタール航空の日本人のスタッフの方が迎えてくれて、日本円で現金を手渡してくれ、丁寧にお詫びをしてくれました。
なぜオーバーブッキングにあったの?対処方法とは?
↓何もないドーハの街
私達が乗ったのは、3連休の最終日で込み合っている便だったようです。私達の他にも10人ほど予定通りに、帰国できなかったとカタール航空の方が言っていました。確かにカタールのカウンターで日本人の姿を見ました。
その中でもなぜ私たちが乗れなかったのか?
カタール航空では、よく言われているボランティアの募集など一切ありませんでした。自動的に選ばれている感じでした。
私達はツアー(飛行機+ホテルだけのパッケージツアー)でチケットを手配しました。おそらくチケットランクが下なので、自動的に選ばれたのだと思います。
日本で出迎えてくれたカタール航空の人に聞くと、通常ツアーの人は選ばれにくいそうですが、個人参加と見なされてしまったそうです。ツアーと言っても、飛行機とホテルだけが組み込まれた募集型旅行でしたので、添乗員さんが案内してくれたり、ドライバーさんがついたりなどは一切ない個人旅行に近いものでした。
そのため、現地でトラブルが起きた時、その場で代わって交渉してくれる人はいません。
オーバーブッキングにあった時は、できればその場(カウンター等)で交渉が一番です。どうしても取り合ってもらえない時は、日本のオフィスに電話するのもいいかと思います。
とにかく現地で解決が鉄則です。
帰国して、色々な費用を立て替えた後に交渉は、難しいと思った方がいいです。交渉は現地で行って下さい。
私達の場合は旅費の3%が返金されました。微々たる金額ですが、貰えるものはもらっておくといいと思います。
オーバーブッキングのリスクを減らす方法
以上の経験と周囲の方の話を聞いた結果、私達はオーバーブッキングに遭いやすい状況でした。
- 帰国日が三連休の最終日で、搭乗者が多かった
- チケットランクが下のものだった
また空港に着いたのも出発の2時間前を切っていて、座席も指定していませんでした。
予約しても飛行機に乗らない人がいるので、航空会社が多め予約を取りオーバーブッキングが起こります。ですので、少しでもオーバーブッキングのリスクを減らすためには、
- 予約が多い事が分かっている時期は、早めに空港に行く
- 座席を指定しておく
- WEBチェックインができる場合はしておく
をしておくと、飛行機に乗る意思を示せます。
後は正規料金でチケットを手配することぐらいですが、金銭的にハードルが高いですよね。
また帰国日の翌日から仕事などのスケジュールを立てると万が一の時に困ります。どうしても外せない用事がある場合は、ある程度余裕を持ったスケジュールを組むことをおススメします。
逆に言えば、時間に余裕がある方は、オーバーブッキングにあってラッキーな場合もあると思います。
夫はエコノミー席のオーバーブッキングで、ビジネスにアップグレードされた事があるそうです。羨ましい限りです。1人だとアップグレードが比較的起こりやすいようです。
また、私達のように1泊する必要性が出てきた場合も、経由地に入国出来て、観光出来て、お金も貰えてラッキーとも考えれると思います。
因みに当時はカタールは暑い&観光するような場所もありませんでしたが。
時間に余裕があれば、オーバーブッキングもラッキーなのかも知れません。
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